Basee

電子帳簿保存法対応の​使い方

Baseeが​電子帳簿保存法​(電子取引・スキャナ保存)の​要件を​どのように​満たすか、​証憑の​履歴・監査ログ・検索と​CSV出力・​入力期間と​画像要件の​表示・事務処理規程テンプレートを​説明します。

Baseeは、電子取引で受け取った請求書・領収書や、紙の領収書を撮影・スキャンした画像を、電子帳簿保存法の要件(真実性・可視性・検索)に沿って保存します。この章では、法対応に関係する機能をまとめて説明します。各機能の基本操作は「経費管理」「レシートOCR」「請求書」の章を参照してください。

対象となるデータ

電子取引 = 経費に添付した証憑ファイル(PDF・画像)、請求書に添付したファイル、Baseeが発行した請求書PDF。スキャナ保存 = 紙の領収書・請求書をスキャナやスマートフォンで電子化して経費に添付した画像。帳簿(仕訳帳・総勘定元帳)は会計ソフト側で保存します。

保存される​データ

データ保存する場所記録される項目
経費の証憑ファイル経費の詳細・編集画面「証憑ファイル」ファイル名・保存日時・保存者・SHA-256ハッシュ・画像要件判定
請求書の添付ファイル請求書詳細「添付ファイル」カードファイル名・保存日時・保存者・SHA-256ハッシュ
発行済請求書のPDF請求書詳細「PDFダウンロード」版番号・SHA-256ハッシュ・生成日時(再生成しても旧版は残ります)
経費・請求書の内容各詳細画面変更前・変更後の値を監査ログに記録

Baseeが発行した請求書PDF(1ページ目)

ファイルは日本国内(AWS東京リージョン)に暗号化して保存され、Baseeが期限で自動削除することはありません。

訂正削除の​履歴が​残る​仕組み

Baseeはタイムスタンプを付与せず、「訂正・削除の事実と内容を確認できるシステム」(訂正削除履歴方式)として次のように動作します。

削除しても実体は残る

証憑ファイル・添付ファイルの「削除」を押すと、一覧からは消えますが、ファイルの実体と記録は残ります。詳細画面の証憑一覧の下に「削除済み n 件」が表示され、開くとファイル名・保存日時・SHA-256・削除日時・削除者を確認できます。管理者・経理・税理士アカウントは、削除済みの行からファイル本体の「表示」「ダウンロード」もでき、削除前の内容をそのまま確認・印刷できます(表示・印刷・ダウンロードは削除済みである旨とともに監査ログに記録されます)。証憑・添付ファイルは上書き(差し替え)できません。内容を直すときは削除して新しいファイルを追加するため、旧ファイルは必ず履歴に残ります。

経費詳細の証憑ファイル(①保存日時・保存者・SHA-256・入力期間超過 ②画像要件の判定 ③削除済みの証憑)

削除済み証憑のプレビュー(①削除日時・削除者の表示)

ハッシュで改変を検証できる

保存時に計算したSHA-256ハッシュを、証憑の添付行・プレビューモーダル・印刷レイアウト・一覧CSVに表示します。添付行のコピーアイコンでハッシュ全文をコピーできます。手元のファイルのハッシュと比較すれば、保存後に変更されていないことを確認できます。

証憑の印刷レイアウト(①経費番号・保存日時・SHA-256)

操作はすべて監査ログに残る

証憑・添付の追加・削除・表示・印刷・ダウンロード、経費・請求書の作成・変更(変更前後の値)・ステータス変更・取消、一覧CSVの出力を、日時と操作者付きで監査ログに記録します。経費・請求書を訂正したときの改訂年月日は、この監査ログの日時(日本時間)が記録になります。監査ログを編集・削除する機能はありません。

発行済みの請求書は編集できない

ステータスが「発行済み」「入金済み」「取消」の請求書は、編集・削除・添付の削除ができません。内容を直す場合は「取消」(理由必須)して新しい請求書を発行します。手順は「発行済みの請求書を取り消す」を参照してください。

発行済みの請求書(編集・削除はできず「取消」が表示される)

請求書の取消(①取消理由の入力)

支払済みの経費は削除できない

支払日が入っている経費と、承認済みの立替経費は、管理者・経理でも削除できません。削除ボタンは表示されず、削除を試みると「支払済みの経費は削除できません。」と表示されます。

事務処理規程が必要です

訂正削除履歴方式で保存する場合、電子帳簿保存法では「電子取引データの訂正及び削除の防止に関する事務処理規程」を定めて備え付けることが必須です(施行規則第4条第1項第4号)。後述の「事務処理規程テンプレート」を自社に合わせて整備してください。

監査ログで​履歴を​確認する

サイドバーの「設定」から「監査ログ」を開きます(閲覧できるのは管理者・顧問税理士・顧問社労士です)。

条件を指定する

「日時」(期間)・「対象種別」(経費・経費証憑・請求書・請求書添付など)・「操作者」で絞り込みます。条件を指定せずに開くと直近のログが新しい順に表示されます。

内容を読む

各行に日時・対象・操作(作成しました / 更新しました / 削除しました / ダウンロードしました / ステータスを変更しました など)・操作者が表示され、行の展開ボタンを押すと変更前・変更後の値と補足(ファイル名・取消理由・出力件数など)を確認できます。

監査ログの行を展開し、①変更前・変更後の値を確認

CSVに出力する

「この条件で CSV 出力」を押すと、表示中の条件のまま監査ログをCSV(UTF-8・BOM付き)でダウンロードします。列は日時・対象種別・対象・操作・操作者・IP・変更前・変更後・補足です。1回の出力は50,000行までで、超えた場合は期間を狭めるよう案内が表示されます。

経費・請求書の詳細画面下部にも、その1件に関する変更履歴が表示されます。監査ログはこれを組織全体で横断して確認する画面です。監査ログの「IP」列は現在のBaseeでは記録していないため空欄になります。

顧問先の士業事務所の職員がパートナーコンソールから行った閲覧・ダウンロードの記録は、監査ログではなく「設定」>「システム」>「士業のアクセス履歴」で確認します。詳しくは「パートナー(外部ユーザー)の使い方」を参照してください。

検索結果を​CSVで​出力する

税務調査で「ダウンロードの求め」に応じるときは、経費一覧・請求書一覧の検索結果をそのままCSVに出力します。検索条件に使う取引日(発生日・請求日)・金額・取引先は登録時の必須項目のため、値が空のデータは存在しません。

検索結果を紙で提出するときは、一覧画面を表示したままブラウザの印刷機能(Windows は Ctrl + P、Mac は ⌘ + P)で印刷すると、検索条件に一致した行だけが取引日・取引先・金額・件名・ステータスの列とともに印刷されます。CSVを表計算ソフトで開いて印刷しても構いません。

検索条件を指定する

経費一覧では「詳細検索」を開き、「発生日」(取引日)の期間・「金額(合計)」の下限・上限・「取引先(支払先)」を指定します。請求書一覧では「請求日」の期間・「金額(合計)」の下限・上限・「取引先」を指定します。条件はすべて同時に指定でき(AND検索)、期間・金額は片側だけの指定もできます。金額は全角数字やカンマ入りでも入力できます。

経費一覧の詳細検索(①発生日の期間 ②金額の下限・上限 ③取引先)

期間に上限はありません。開始日と終了日には任意の日付を指定でき、一課税期間(例: 3月決算の法人なら2025年4月1日〜2026年3月31日、個人事業者なら2025年1月1日〜12月31日)を1回の検索で指定できます。複数の課税期間にまたがる期間も指定できます。契約中は過去のデータを期限で削除しないため、法定の保存期間を通して、過去の課税期間も同じ方法で検索できます。検索結果の件数に上限はなく、一覧下部のページ送りですべての行を確認できます(CSV出力は1回10,000行までのため、超える場合は期間を分けて出力してください)。

一課税期間を指定した経費一覧の検索(①発生日 2025/04/01〜2026/03/31 ②検索結果の件数)

「この条件で CSV 出力」を押す

検索結果の件数表示の右にある「この条件で CSV 出力」を押します。適用中の条件をそのまま引き継いでCSV(UTF-8・BOM付き・改行CRLF)をダウンロードします。

①検索結果の件数と「この条件で CSV 出力」ボタン

CSVの内容

経費一覧CSV: 経費番号・取引日・取引先・件名・種別・消費税・合計・支払金額・ステータス・支払日・添付ファイル名・添付SHA-256・保存日時・画像要件判定(添付が複数あるときは | 区切りで同じ順に並びます)。

請求書一覧CSV: 請求番号・請求日・取引先・件名・税抜・消費税・合計・ステータス・入金日・発行PDF SHA-256・添付ファイル名・添付SHA-256。

1回の出力は10,000行までです。超えた場合は「出力件数が上限(10,000 件)を超えています。条件を絞り込んでください。」と表示されるので、期間などを狭めて再度出力してください。CSV出力の実行も監査ログに記録されます。

入力期間の​表示

スキャナ保存では、書類を受け取ってから最長2か月とおおむね7営業日以内に電子化して保存する必要があります。Baseeは経費の「発生日」(取引日)を受領日の代わりとして、発生日から2か月と7営業日(土日を除く。祝日は数えません)を過ぎてから保存した証憑の添付行に「入力期間超過」と表示します。

  • 表示だけで、保存や経費の登録は止まりません
  • 受領日が発生日より後の場合や祝日を挟む場合は、実際の受領日と事務処理規程に基づいて判断してください
  • 期限内に保存する運用を守るための目安として使ってください

画像要件の​判定

スキャナ保存の画像は解像度200dpi以上・24bitカラーが要件です。Baseeは画像(JPG・PNG・GIF・WebP。HEICはJPGに変換して判定)を保存するときに、A4用紙を200dpiで読み取ったときの画素数(約388万画素)と色深度を判定します。

表示意味
(表示なし)要件を満たしています
解像度不足の可能性総画素数が388万画素未満です。小さいサイズで撮影・スキャンされた可能性があります
カラー要件を満たさない可能性グレースケールや24bit未満の色深度で保存されています
  • 経費の登録・編集フォームでは、アップロード直後のファイル名チップに ⚠ が表示されます(マウスを重ねると理由が出ます)
  • 保存後は詳細画面の添付行にバッジとして表示されます
  • 経費一覧CSVの「画像要件判定」列には ok / low_resolution / not_color / n/a が出力されます(PDFは判定対象外で n/a、2026年9月より前に保存した証憑は空欄です)
  • 判定に該当しても保存は止まりません。要件を満たす必要がある書類は、スマートフォンのカメラ設定を高解像度・カラーにして撮り直してください

帳簿との​相互​関連性

経費には登録時に一意の「経費番号」が付きます。経費番号は、証憑のプレビューモーダルと印刷レイアウト、経費一覧CSV、会計ソフト取込用CSV(先頭列)に出力されます。会計ソフト側の仕訳の摘要などに経費番号を記載しておくと、仕訳から証憑、証憑から仕訳を相互にたどれます。会計ソフト取込用CSVの出力方法は「各種レポート出力」を参照してください。

保存期間と​退会時の​扱い

  • 契約中、Baseeは証憑・添付・PDF・監査ログを期限で削除しません。法定保存期間の7年間(繰越欠損金の控除を受ける場合は最長10年間)を超えて保存でき、契約を続けることで保存を維持できます
  • 保存データはBasee側で日次バックアップ(データベース)とファイルのバージョン管理を行っています。利用者側でバックアップを取る場合は、一覧CSVの出力と証憑・PDFのダウンロード、退会時の書き出しZIPを利用してください
  • 退会を申請すると30日の猶予期間に入り、全データの書き出しZIP(経費・請求書などのCSV、請求書PDF、請求書添付、経費領収書など)が用意されます。猶予期間中にダウンロードし、法定保存期間の残りは自社で保管してください。手順は「退会する」を参照してください
  • 猶予期間を過ぎると、監査ログを含むすべてのデータが削除されます。書き出しZIPは削除後90日間ダウンロードできます

事務処理規程テンプレート

以下は国税庁の「電子取引データの訂正及び削除の防止に関する事務処理規程(法人の例)」をBaseeの運用に合わせて書き換えたテンプレートです。角括弧の部分を自社の内容に置き換え、社内で承認して備え付けてください。

電子取引データの訂正及び削除の防止に関する事務処理規程

第1章 総則

(目的)
第1条 この規程は、電子帳簿保存法第7条に定められた電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存義務を履行するため、[会社名](以下「当社」という。)において行った電子取引の取引情報に係る電磁的記録を適正に保存するために必要な事項を定め、これに基づき保存することを目的とする。

(適用範囲)
第2条 この規程は、当社の全ての役員及び従業員(契約社員、パートタイマー及び派遣社員を含む。以下同じ。)に対して適用する。

(管理責任者)
第3条 この規程の管理責任者は、[役職名]とする。

第2章 電子取引データの取扱い

(電子取引の範囲)
第4条 当社における電子取引の範囲は以下に掲げる取引とする。
 一 電子メールによる請求書・領収書等の受領
 二 取引先のウェブサイトからの請求書・領収書等のダウンロード
 三 業務管理サービス「Basee」により作成・発行した請求書
 四 その他電子的に授受した取引情報

(取引データの保存)
第5条 取引先から受領した取引関係情報及び取引相手に提供した取引関係情報のうち、第6条に定めるデータについては、保存サーバ内(業務管理サービス「Basee」)に第7条から第9条までの定めに従い保存する。

(対象となるデータ)
第6条 保存する取引関係情報は以下のとおりとする。
 一 見積書、注文書、契約書、請求書、領収書及びこれらに準ずる書類の電子データ
 二 前号のデータを訂正又は再発行した場合の訂正前後の電子データ

(運用体制)
第7条 保存する取引関係情報の管理責任者及び処理責任者は以下のとおりとする。
 一 管理責任者  [部署名・役職名]
 二 処理責任者  [部署名・役職名]

(訂正削除の原則禁止)
第8条 保存する取引関係情報の内容について、訂正及び削除を行うことは原則禁止とする。Baseeに保存した証憑ファイル・添付ファイルは削除しても実体と削除履歴が残り、発行済みの請求書は編集できない仕様であることを踏まえ、業務上やむを得ない理由による訂正は次条による。

(訂正削除を行う場合)
第9条 業務処理上やむを得ない理由によって保存する取引関係情報を訂正又は削除する場合は、処理責任者は「取引情報訂正・削除申請書」に以下の内容を記載の上、管理責任者へ提出すること。
 一 申請日
 二 取引伝票番号(Baseeの経費番号又は請求番号)
 三 取引件名
 四 取引先名
 五 訂正・削除日付
 六 訂正・削除内容
 七 訂正・削除理由
 八 処理担当者名
2 管理責任者は、「取引情報訂正・削除申請書」の提出を受けた場合は、正当な理由があると認める場合のみ承認する。
3 管理責任者は、前項において承認した場合は、処理責任者に対して取引関係情報の訂正及び削除を指示する。
4 処理責任者は、取引関係情報の訂正及び削除を行った場合は、当該取引関係情報に訂正・削除履歴がある旨の情報を付すとともに「取引情報訂正・削除完了報告書」を作成し、当該報告書を管理責任者に提出する。Baseeにおいては、証憑ファイルの削除履歴(削除日時・削除者)、請求書の取消理由及び監査ログをもって訂正・削除履歴とする。
5 「取引情報訂正・削除申請書」及び「取引情報訂正・削除完了報告書」は、事後に訂正・削除履歴の合理性を確認できるよう整理し、保存期間中保存する。

(保存期間)
第10条 取引関係情報は、法定の保存期間(原則7年)が満了するまで保存する。Baseeの契約を終了する場合は、退会申請時に提供される書き出しデータをダウンロードし、残りの保存期間は当社の保存サーバにおいて保存する。

附則

(施行)
第11条 この規程は、[令和○年○月○日]から施行する。

国税庁のサンプル規程(Word)は国税庁ホームページ「電子帳簿保存法関係 参考資料(各種規程等のサンプル)」から入手できます。個人事業者の場合は個人事業者用のサンプルを使ってください。

システム概要書

電子帳簿保存法では、自社開発以外のシステムを使う場合でも、システムの概要を記載した書類(システム概要書)を備え付けることが求められる場合があります。Baseeのシステム概要書はこのガイドの「システム概要書(PDF)」からダウンロードできます。印刷またはPDFで保管し、税務調査時に提示できるようにしてください。